ノラと皇女と野良猫ハート 黒木√読了
ノラと皇女と野良猫ハート、黒木√読了しました。
要約すると「束縛する親と放任主義の親の対比とその心情変化、及び冥界の住民という目線を交えた死生観とそれに対する一種の諦念」だと思います。
黒木未知
黒木√は非常に束縛の強い家庭で育った彼女が主軸になります。
個人的にはこのヒロインはビジュアルは好きなのですが内面がかなり問題だなという印象。
主人公を裏切ることが何度もあったり、作中でも述べられていますがまぁ重い女という感じ。
誕生日を間違える、本やポスターを捨てさせる等はまだ重い女という括りで終わりにできるのですが、 その後の彼女の家庭事情や自身の欠点等を克服することもなく主人公へ欲求が非常に重いという、あまり好きにはなれない感じでした。
そして主人公も、過去に黒木が母に連れられたときに何もできなかったという過去の自責の念故にそのヒロインに対して全力になるという。
私はノベルゲー評論家ではないので、キャラクターやストーリーに深く言及して感想を言うのは避けますが、まぁ非常に苦しい√だったなと。
黒木という家庭事情
離婚したか死別したか忘れましたが、父親がおらず未知は母親と二人で過ごしています。
典型的な毒親という感じで、勉強しろしろとうるさく言う上に友人関係にも口出しを行い自由を与えない。
アニメでよく描かれる典型的な毒親という感じです。
この作品の√の主軸は主人公と未知の家庭の対比と、その中での両者の心情の成長でしょう。
猫・人間・冥界での姿というのは、それぞれの性格を大きく変化させるための脱出ハッチのような舞台装置になっています。
私は読み進めながら、「新たな変化の前後で黒木親子の衝突や対談」が大きく描かれると予想していました。
ただ残念ながら、主人公の亡き母親と黒木母が和解するまでの心情変化が詳細に語られることはなく、 単に変化した後主人公の家で母親のお仏壇に手を合わせるという変化の描写のみがあります。
その描写が無かった点が非常に残念でならないです。
また、その主人公の母親を黒木母が嫌っていたのは一種の嫉妬であり、その解決は主人公の努力が報われることもなく 突発的な再婚相手の結婚詐欺事件の解決という半分以上の偶然によって成されるため、これも微妙という感想です。
こういった作品にありがちな展開としては「母親に縛られてないで反抗する!!」という一直線ですが、 最もそういった傾向を示したケーキを渡すシーンでも結局和解されることはなく、最後は母親側が事件をきっかけに折れて終了。
もう少し未知側から母親の説得を行っても良かったのではないかと感じます。
雑多なその他
冥界でのお話は2で語られるのか無いのか…という感じですがここを全部カットしたのは良い判断だったのではないかと。
この部分はファンタジー要素が強い上に、別世界の話であるが故に心情の成長が行われない (冥界に行く時点で既に変化していた)点が大きいのでしょう。
正直これはどの作品にも言っているのですがノベルゲームにHシーンは不要であるという点です。 この作品も例に漏れませんが、そういった情事において感情の変化が起こったり重要な分岐点になることがありません。
ほとんどが購入者へ媚びを売るような萌え萌えサービスシーンで終わってしまう上に無駄に長い。 比較的この作品は短い上に量も少ないと感じましたが、その部分に重点を置いてほしくないと感じます。
そういったシーン以上に、母親と未知の会話や対談、終盤の主人公との対話をもう少し深堀りしてほしかったです。
他の√をまだ走っていないのでなんとも言えませんが、過去に親子関係(特に離婚等)でいざこざがあった人間には少しきつい内容でした。
本当にストーリーと関係ない余談
画像補完技術
この設定項目の意味がわからず、調べました。画像を拡大した際に用いられるアルゴリズムの話らしいです。
バイリニア補完を分かりやすく説明 #機械学習 - Qiita
時間があれば画像処理も勉強したいですね。しかし(別個のグラフィック設定画面があるにも関わらず)ウィンドウにわざわざメニューがあって、 しかもそれを変更したいという状況はあるんでしょうか?このメニューを設置した経緯が謎です。エンジンのデバッグモードの名残?
私だけかもしれませんが、エロゲに限らずPCゲームを起動したらまっさきに設定項目を開いてしまいます。
ゲームエンジン
スマホでエロゲが出来る!?KirikiroidとArtroid編|ぬる
上記のサイトのよるとスマホ版はArtemis Engineが使用されているらしいですが、原作のPC版は独自エンジンらしいです。
Linuxの対応状況ですが、通常の日本語化設定を施したWineならdxvk等を用いることもなく起動できました。
余談
私はノベルゲーの読了後にオタクのクソなが長文感想を読み漁るのが非常に好きなのですが、いくつか良記事があったので紹介します。
私がこの√で述べたかったことをより詳細に説明しています。この記事だけあれば俺の感想いらないんじゃないかというくらい。
あらすじが非常によくまとまっています。「終始受け身だった」という指摘には同感しかありません。
終わり
時間と気力があったら他のヒロインの√もやっていこうと思います。
他にも購入したっきり放置しているノベルゲームが非常にたくさんあるのでどんどん進めていきたいのですが… やはり時間をとられるのでなかなか重い腰を上げられずという感じです。